■ストーリー

オリンピックの開催を控えた、首都・東京。
危機は東京湾からほど近い川に突如として現れた―――

川面に「メイルストローム」と呼ばれる奇妙な渦が発生すると、瞬く間に巨大化した。その渦は強力な右回転で周囲のエネルギーを吸収してしまう「R粒子」を大量に発生させ、人間が持っている生命エネルギー(エインヘル)を回収し始めた。渦の中心からは、巨大な人型侵略体(ユミル)を中心とした地球上のものとは思えない異様な姿の侵略生命体が無数に這い出してきて周辺地域を攻撃しつつ、逃げ惑う人々のエインヘルを奪い取ろうとした。

このメイルストロームが最初に発生したのは、およそ60年前のこと。当時は侵略生命体の出現はなかったものの、全国各地の海や湖・川など合計24ヶ所で同時多発的に巨大な渦が発生。何ら対抗手段がないまま、多くの人々のエインヘルが吸い取られていく中、数年前よりR粒子が徐々に増幅していることに気付いていた篠崎源之助(しのざきげんのすけ)博士は、自ら考案した「旋回対称性理論」に基づき、軍の最高幹部・葛西牙門(かさいがもん)とともに開発した新型の「ガングニル(G型)モーター」を搭載した「オーディーンボート」を緊急発進させる。ガングニル(G型)モーターは、右回りのR粒子に対抗して、左回りの「L粒子」を発生させる機能を持っており、オーディーンボートが左回りに高速旋回することで、メイルストロームを消滅させることに成功。多くの犠牲者を出した未曾有の大惨事がようやく終結した。(※後に「第一次メイルストローム」と呼ばれる。)

第一次メイルストロームの後、大渦が発生した24ヶ所にはオーディーンボートが配置されたが、メイルストロームの再発を防ぐL粒子をより多く蓄積させるため、優れた技術でオーディーンボートを操縦できるパイロットを育成する必要があった。そのため、それぞれの場所にエースパイロット育成のための競技場(ボートレース場)が次々と建設されていった。ボートレース場ではより速いタイムで左旋回する技術を競い合う訓練(ボートレース)が行なわれ、特に優秀なレーサーは、防衛省が直轄する精鋭部隊(オーディーン隊)のパイロットとして選抜された。また、ボートレース場で日々行なわれるレースは、周囲に多量のL粒子を発生させ、メイルストロームを封印する役目も担っていた。

そして、今から10年前、再び悪夢は訪れた。
第一次メイルストロームからはすでに50年が経過しており、最初の大参事が人々の記憶から薄れつつあった頃、東京湾に近い江戸川のボートレース場においてメイルストロームが発生。しかも、今回は大渦の出現だけではなく、おぞましい姿の侵略生命体(イバス)がその中から現れたのだ。侵略生命体は、L粒子を蓄積しようとするオーディーンボートに対して攻撃を開始し、いとも簡単にボートの旋回を無効化してしまう。為す術がない人々は生命エネルギー(エインヘル)を奪われ、街全体も完全に崩壊するかと思われたその時、渦の中心から眩い6色の(白→黒→赤→青→黄→緑の順でループする)光を放つ石のような物体が現われ、水面上に浮遊した。すると、強力な右回転だった渦の勢いが弱まり、徐々に逆向きに回転を始める。浮遊する石がさらに光ると、渦は完全に左回りとなり、侵略生命体は苦しみもがき始め、次々と渦の中へと撤退していった。最後の侵略生命体が姿を消しメイルストロームが消滅した瞬間、石は一番の輝きを放った後、6つに分裂して川岸に落ち、辺りに静寂が戻った。(※後に「第二次メイルストローム」と呼ばれる。)

侵略生命体の出現という新たな脅威が加わった第二次メイルストロームの後、ボートレース江戸川の地下に「東京湾防衛科学研究所(TGSL)」が設立され、壊滅寸前だった街をを救ってくれた6色の石(モーターコア)の研究が進められた。その後、数年の時を経て、モーターコアは15歳以上の女性に対して反応することが判明。さらには、高い適合能力を持った女性が身に着けることでL粒子の数百倍もの効果がある「V(ヴァルキリー)粒子」を発生させることも分った。そして、女性だけが乗ることのできる「ヴァルキリーボート」が開発され、TGSLに配置されることとなった。
一方で、「ヴァルキリーボート」の専属パイロットとして、6色のモーターコアに最も適合する女性(ヴァルキリー)を選ぶトライアウトやスカウティングが全国各地で行なわれた。その結果、「黒」「赤」「青」「黄」「緑」の5人のヴァルキリーは見つかったものの、V粒子の発現レベルが最も高い「白」のモーターコアだけは適合者がおらず、使用できないままTGSLに保管された。
よって、「白」以外の5人の適合者にて防衛省直轄の「ヴァルキリーチーム」が結成され、次なるメイルストロームに備え、TGSLにて訓練が開始された。なお、第一次メイルストロームの後に、同じく防衛省の直轄部隊として先に結成されていた「オーディーン隊」は「ヴァルキリーチーム」と入れ替わるように解散された。

そして現在。
またしてもボートレース江戸川にメイルストロームが発生。10年前の第二次メイルストロームとは比較にならないほどの多数の侵略生命体が、巨大な人型侵略体の「ユミル」を中心として、渦の中から襲撃してきた。

いきなりの実戦で戸惑いを隠せないヴァルキリーチームではあったが、周囲の人々を助けるため、そしてメイルストロームを消滅させるという使命を果たすため、整備もままならぬ状態で緊急発進したのだった―――



●メイルストローム

海・湖・川などに突如として出現する謎の大渦。その渦は強力な右回転で瞬く間に巨大化し、周囲のエネルギーを吸収してしまう「R粒子」を大量に発生させる。「第二次メイルストローム」では、巨大な渦から侵略生命体も出現した。
この巨大な渦が発生する原因は定かでないが、エネルギーが枯渇した異星と繋がるゲートの役目を果たしていると見られており、「第二次メイルストローム」以降は、地球上のエネルギーを奪い取ろうとする生命侵略体の進入口となっている。

●エインヘル

人間が持っている生命エネルギー。侵略生命体の襲撃は、このエインヘルを吸収することが主な目的と見られている。

●モーターコア

第二次メイルストロームの際、大渦の中から現れた不思議な6色の石。この石が水面上に浮遊し光輝いた後、侵略生命体はすべて退散しメイルストロームも消滅した。
その後の研究により、このモーターコアは15歳以上の特定の女性にのみ特殊な反応を示すことが判明した。
白・黒・赤・青・黄・緑の6色があり、個々に「加速能力」「治癒能力」「守備能力」「分析索敵能力」「士気向上能力」などの特殊な能力を有するようだ。

●ヴァルキリーボート

TGSLが開発した対侵略生命体マシン。モーターコアに適合する15歳以上の女性(ヴァルキリー)だけが操縦することができる。通常のボートとは異なり、モーターコアから発せられるV粒子を動力源とする「ソウルモーター」によって起動する。なお、舟体には「プロトギア」と呼ばれる専用のハンドルが取り付けられている。
特殊なボートのため、メンテナンスには高度な技術が要求される。

●同調旋回(シンクロターン)

ヴァルキリーボートを発進させると、メンバーたちの胸に装着されたモーターコアの回転数が上昇していく。その回転スピードが極限まで達した状態で、全6艇がスタートラインを“完全に同じ”タイミングで通過すると、極めて攻撃力の高い同調旋回(シンクロターン)を決めることが可能となる。
そのため、全艇がスタートのタイミングを合わせることが重要で、日々の訓練においてもその技術を高めることが課題の1つとして挙げられている。 ただし、スタートが早すぎたり、出遅れたりした場合はシンクロターンを発動させることができない。また、タイミングを外したボートはV粒子を大量に放出してしまうため、20分間にわたりは戦闘不能となるという、まさに諸刃の剣。

●プロトギア

ヴァルキリーボートに取り付けられている専用のハンドル。このハンドルを巧みに操ることで「逃げ」「差し」「まくり」「モンキーターン」「スラッシュターン」など、攻撃力の高い技を繰り出すことが可能になる。
また、これらの技を組み合わせながら、メイルストロームをノーミスで3周することができると「位相転移力」がプロトギアに蓄積され、「超スラッシュターン」など最強の必殺技を発動させることができる。
なお、理論上では「位相転移力」が最高レベルまで貯まると、ヴァルキリーボートが更に強力な武器へと変形することが可能と言われているが、現時点ではまだその現象は確認されていない。

●ちゅ~にんぐ

「治癒能力」のあるモーターコアを持つメンバーから、頬にキスをしてもらう行為。
特にシンクロターンは体に相当な負担をかけるため、レースや訓練、戦闘を終えた後には、体力を回復させるため、必ず「ちゅ~にんぐ」を行う必要がある。
このちゅ~にんぐが出来るモーターコアは、船堀迎の「黒」と菊川陽乃の「緑」である。
なお、明日風の特殊な白いモーターコアは、迎の「黒」と相性が良く、迎だけが明日風を完全回復させることができる。

●侵略生命体(イバス)

第二次メイルストロームの際、渦の中心から巨大な人型侵略体(ユミル)とともに出現。地球上のものとは思えない、おぞましい姿で無数に存在する。周囲を攻撃・破壊しつつ、人々のエインヘルを奪い取ろうとする。

★画伯による「侵略生命体」イメージイラストはコチラ
(7名全員分をアップしました!)

●東京湾防衛科学研究所

通称「TGSL」。イバスの出現という新たな脅威が加わった第二次メイルストロームの後、ボートレース江戸川の地下に設立され、6色の石(モーターコア)の研究がここで進められた。侵略生命体の対策研究・ヴァルキリーボートの開発・専属パイロットの訓練などを行っている防衛省直轄機関。
「緑」のモーターコア適合者としてチームのメンバーになった陽乃の「菊川家」は、当研究所に資金援助を行っている。